1960年代に土方巽が創始した「舞踏」は、日本人の体の特性や風土性を生かし、それまでになかった新しい舞踊形式を提示した。人間の内面にある“本能”を解放させた踊りは観る者に原風景を懐古させた。 日本に生まれたオリジナルの舞踊である「舞踏」は、「BUTOH」として80年代後半には海外で高く評価されるようになり、舞踊や演劇界のみならず、美術、映像、文学などの芸術や思想に多大な影響を与えた。 その一方で、日本国内では一部の舞踊評論家や愛好家にしか受け入れられない芸術様式であった。西洋のバレエやモダンダンスが純粋な舞踊とされる中、全身白塗りの異形な「舞踏」は長い間、異端視されてきたのである。 しかしながら近年、日本に於ける新しい「舞踏」の流れが生まれている。 全国各地で開催される「舞踏」のワークショップ(必ずしも作品を創ることを目的とせず、舞踏を実際に経験する試み)には舞踏かだけでなく写真、美術家を志す者が多く参加し、また20代〜30代を中心とした舞踏グループもここ数年の間に急増している。 |
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1996年、夏に舞踏手・星野裸身番(31)を中心に結成された舞踏グループ「大豆鼓ファーム」は誰もが気軽に享受できる、大衆性のある「舞踏」として注目を集めている。 このグループは20代〜30代前半の若者、約50名で構成されている。舞踏手に加え、音楽家、美術家による共同創作を行っており、結成以来、新宿などの路上や野外のステージなどで独自のスタイルによる公演活動している。 作品のモチーフには、共通して歴史の表層からこぼれおちた人々の存在や思いが多く取り上げられている。伝説上の民や、鳥や魚、遊女や旅人など、どこか滑稽でありながらも哀愁を帯びた人々や生き物が登場し、物語を構築する。人々が生きていく上での苦悩や葛藤。それを克服していく過程で深まりゆく「人間へのいとおしさ」が、作品を通じて表現される。 「アートネット・アカデミ− vol.4」抜粋 |
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